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研究領域
​  心理生理学 Psychophysiology
  認知神経科
学 Cognitive Neuroscience

キーワード
​  予測 Prediction
    -行為主体感 Sense of agency
    -感覚減衰 Sensory attenuation
  多感覚相互作用 Multimodal interaction
    -視覚体性感覚処理 Visuotactile processing
  事象関連脳電位 Event-related brain potential (ERP)


現在の研究

1. 多感覚相互作用と予測

  私たちはこれから起こる出来事を予測して適切な行動を選択しています。
  その中でも身体にものが「触れる」ことの予測は身体を健常に保つために重要です。

  では、私たちはどのように「触れる」ことを予測しているのでしょうか?
  このような疑問のもと、「見る(視覚)」と「触れる(体性感覚)」の間に存在する予測機能を検討しています。

  これまでに以下の内容を明らかにしました。
    (1)身体へ接近するものを「見る」と「触れる」ことを予測する(Kimura & Katayama, 2015; Kimura, 2021)
    (2)身体へ接近するものを「見る」と「いつ・どこに・なにが」触れるか予測する(Kimura & Katayama, 2015; 2017; 2018)
    (3)規則的な接近は「触れる」ことへの予測を強める(Kimura & Katayama, 2017)
    (4)身体へ接近するものを「見る」と「どの
場所」と「どの部位」に触れるかの両方を予測する(Kimura, 2021
    (5)身体の「近く」ではなく身体に「近づく」ものを見ると「どこに」触れるかを予測する(Kimura & Katayama, 2023

2. 予測を支える情報処理メカニズム
  私たちはこれから起きる出来事を予測するために様々な情報を利用しています。

  例えば、自分の行動の結果は周りで起きる出来事よりも簡単に予測できます。
  これは、自分の行動の計画や身体の動きから得られるフィードバック情報を処理しているからだと考えられています。

  では、私たちはどのような情報を利用することで予測を行い、その予測を維持、促進しているのでしょうか?
  このような疑問のもと、予測を支える情報処理メカニズムを検討しています。

  これまでに以下の内容を明らかにしました。
    (1)自分の行動は先々に起こる出来事も予測する(Kimura & Katayama, 2020)
    (2)周囲の情報を効率的に使用し
て先々に起こる出来事を予測する(Kimura, 2023)
    (3)周囲の情報の利用は先々に起こる出来事の予測だけでなく現在の作業も促進する(Kimura & Kawashima, 2023)

3. 生理指標による心理工学研究
  私たちは周囲に注意を向けたり、そこで起こる出来事を心地良い、または不快だと感じたりしながら生活しています。
  このような心理活動に関連し、脳波や心拍数などの生理活動が変化することが分かっています。

  これらの知見を応用し、生理活動を指標とすることで様々な環境、状況での心理状態のセンシングを行っています。
  また、日常的に測定可能な生理活動による心理状態のセンシングも行っています。

  これまでに以下の内容を明らかにしました。
    (1)暑さは課題成績に現れない潜在的な精神
負荷を増大させる(Kimura et al., 2020)
    (2)自然風景動画の視聴は短時間であっても精神資源を回復させる(Kimura et al., 2021)
    (3)座圧からネガティブ感情を測定する(木村・植山・片山, 2020)
    (4)拡張現実(AR)像の呈示方法の違いは知覚処理ではなく認知処理に影響する(Dempo, Kimura, & Shinohara, 2022)
    (5)屋外での運動は創造性に関わる神経活動を増大させる(Kimura et al., 2023)

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